ETC/更新日 2026-10-16
ETCが使えなくなるのはいつ?2030年問題と旧セキュリティ車載器の今
結論:使えなくなるのは旧セキュリティ規格のETC車載器です。停止時期は「未定」で、公式には「問題がなければ最長で2030年頃まで」とされています。
旧規格に問題が起きれば時期が早まる可能性があります。2026年10月16日時点で、具体的な日付の発表は確認できませんでした。
自分の車載器は、19桁の車載器管理番号の先頭が「1」なら新規格、「0」なら旧規格です。
ETCはいつ使えなくなる?公式発表の内容
「2030年にETCが使えなくなる」という話は、国土交通省が進めるETCのセキュリティ規格の変更のことです。2026年10月16日に、国土交通省・ETC総合情報ポータル(運営:ITSサービス高度化機構)・高速道路会社の資料を確認しました。
| 資料 | 時期についての記載 | 日付 |
|---|---|---|
| 国土交通省「よくあるご質問」 | 具体的な時期は未定。現行規格に問題がなければ最長で2030年頃までの予定。問題が出れば早まる可能性 | 最終更新 平成30年9月3日 |
| ETC総合情報ポータル「セキュリティ規格の変更」 | 同上。一部の車載器は最長で2030年頃までに使えなくなる | 2026年3月更新(ページ情報) |
| 国土交通省・高速道路6社・ITSサービス高度化機構の連名資料 | 変更の実施日の記載なし。新規格の車載器の販売が始まっていることを案内 | 令和4年8月2日改訂 |
| ETC総合情報ポータル「お知らせ」 | セキュリティ変更の実施日を告げるお知らせは見当たらず | 2026年10月16日に確認 |
つまり、「2030年に一斉停止」と決まったわけではありません。「最長で2030年頃」は上限の目安で、前倒しの可能性も公式に書かれています。国土交通省のFAQには「最長で2030年頃までとなる予定です」とあります(国土交通省 ETCセキュリティ規格の変更 よくあるご質問)。
なぜ使えなくなるのか:セキュリティ規格とは
セキュリティ規格とは、ETCの料金所・車載器・ICカードの間でやり取りする情報を、盗聴や改ざんから守るための規格です。国土交通省は、情報機器の性能が上がると不正の脅威も増えるため、その備えとして規格を強くすると説明しています。現時点で旧規格に問題が起きたわけではない、とも明記しています。
規格が切り替わった後について、国土交通省は旧規格の車載器では決済情報を保護できなくなる可能性があるため、使い続けることはできないとしています。ETC総合情報ポータルも、旧規格の車載器は新規格に対応した車載器への交換が必要と案内しています(ETC総合情報ポータル「セキュリティ規格の変更」)。
「2022年問題」(スプリアス規格)とは別の話
ETCが使えなくなる話には、もう一つ「スプリアス規格」があります。混同されやすいので表で分けます。
| 項目 | セキュリティ規格(2030年問題) | スプリアス規格(2022年問題) |
|---|---|---|
| 中身 | 決済情報を守る暗号などの規格 | 不要な電波(スプリアス)の強さの基準 |
| 根拠 | 国土交通省が定める規格 | 電波法関係の法令 |
| 旧規格の扱い | 時期未定。最長で2030年頃までの予定 | 当初2022年12月1日以降使えなくなる予定だったが、「当分の間」延長 |
| 今の状態(2026年10月) | 旧規格も使える | 旧規格も使える |
ETC総合情報ポータルのFAQは、この2つは同じ内容ではないと明記し、旧スプリアス規格の車載器は使用期限が「当分の間」延長されたと説明しています(ETC総合情報ポータル FAQ)。総務省の資料では、延長後は「他の無線局の運用に妨害を与えない場合に限り」使えるとされ、今後、機器の買い替え状況などを見て期限を見直す方針です(総務省「新スプリアス規格への移行期限の延長」)。
自分の車載器が対象か確かめる
旧規格かどうかは、次の3つのどれかで確かめられます。
- 車載器管理番号:19桁の先頭が「1」なら新、「0」なら旧。取扱説明書・保証書、セットアップ申込書・証明書、本体ラベルに書かれています。
- 識別マーク:ETC車載器は「●●●」があれば新。ETC2.0車載器は「■」マークがなければ新、あれば旧。
- 品番:メーカーの一覧で新旧を確認する。
手順の詳細はETCが使えなくなるかの見分け方で写真の代わりに表で解説しています。品番が分かっていれば、ETC車載器の一覧から新旧を確認できます。
ETC2.0なら安心、とは限らない
よくある誤解が「ETC2.0に買い替えれば大丈夫」というものです。ETC総合情報ポータルは、セキュリティ規格と車載器の種類(ETCかETC2.0か)は別の事柄だと説明しています。
- 新セキュリティにするために、必ずしもETC2.0に買い替える必要はない。
- ETC2.0であっても、すべてが新セキュリティに対応しているとは限らない。
実際に、デンソーのETC2.0車載器「DIU-B040」はメーカーの一覧で新セキュリティ「非対応」となっています。買い替えるときは、ETC2.0かどうかではなく新セキュリティ対応かどうかを見てください。
いつ買い替えるべきか:判断の目安
停止時期が未定なので、「今すぐ全員が買い替える」必要はありません。ただし旧規格は、いずれ交換が必要です。状況ごとの目安を表にしました。
| 状況 | 旧規格の車載器 | 新規格の車載器 |
|---|---|---|
| 今は問題なく使えている | 当面は使える。次の買い替えで新規格を選ぶ | そのまま使える |
| 故障した・エラーが続く | 修理より新規格への買い替えを検討 | 修理か買い替えを比べる |
| 車を買い替える | 載せ替えには再セットアップ(有料)が必要。新規格への交換を検討する好機 | 載せ替えて再セットアップ |
| 助成キャンペーンが使える | 条件を満たせば負担を減らせる(下記) | 対象外になりやすい |
助成キャンペーンの例(阪神高速 2026年)
阪神高速は2026年10月13日、「大阪・兵庫エリアETC車載器購入助成キャンペーン2026」を発表しました(阪神高速 報道発表資料)。発表資料の主な条件は次のとおりです。
- 期間:2026年11月11日から、助成台数に達するまで(最長2027年3月31日)。
- 助成:最大10,000円/台、15,000台。本体・セットアップ・取付の費用が対象。
- 対象:大阪府・兵庫県の取扱店で、ETCまたはETC2.0車載器を新たに取り付ける人。新セキュリティ規格対応の車載器に限る。
- 注意:買い替えは対象外。購入・セットアップ・取付の前に申し込む必要がある。
旧規格の車載器からの「買い替え」は対象外なので注意が必要です。今ETCを付けていない車に新しく付ける場合の制度です。ほかの地域でも、高速道路会社が同様のキャンペーンを行うことがあります。ETC総合情報ポータルの「お知らせ」に掲載されるので、買う前に確認すると無駄がありません。
いま分かっていること・分かっていないこと
ネット上には「2030年に使えなくなる」と言い切る記事と、「まだ使える」とだけ書く記事が混在しています。公式資料で確認できる範囲を整理します。
| 項目 | 状況(2026年10月16日確認) |
|---|---|
| 旧規格の車載器がいずれ使えなくなること | 確定。国土交通省は、変更後は使い続けられないとしている |
| 切り替えの実施日 | 未定。最長で2030年頃までの予定 |
| 前倒しの可能性 | あり。旧規格に問題が起きた場合 |
| 新規格の車載器の販売 | すでに販売されている |
| 旧規格の車載器の交換に対する国の補助 | 確認した公式資料には記載なし |
| 切り替え前の事前告知の方法・時期 | 確認した公式資料には記載なし |
実施日が決まれば、国土交通省やETC総合情報ポータルから発表されるはずです。ただし告知の時期は示されていないため、「発表を待ってから考える」より、次の買い替え時に新規格を選んでおくほうが確実です。当サイトでも公式の発表を確認し次第、この記事を更新します。
新しい車載器を選ぶときのチェックポイント
- 新セキュリティ対応か:製品ページや箱の表示、メーカーの一覧で確認する。中古品や在庫処分品は旧規格のことがあるので特に注意。
- ETCかETC2.0か:新セキュリティかどうかとは別の話。ETC2.0は渋滞回避などの情報サービスが受けられる種類で、必要かどうかで選ぶ。
- セットアップ込みか:車載器は買っただけでは使えない。取り付けとセットアップを登録店に頼む。
- 二輪車用か:バイクには二輪車用の車載器がある。四輪用とは別の製品。
国土交通省は、新旧の車載器が併売されている時期があったとして、購入時に規格への対応を確認するよう呼びかけています。
公式の問い合わせ先
国土交通省・高速道路会社・ITSサービス高度化機構の連名資料には、次の窓口が載っています。
- ITSサービス高度化機構 ETCお問い合わせ窓口:03-5216-3856(平日10時〜17時、土日祝・年末年始を除く)
- 国土交通省 道路局 高速道路課 有料道路調整室:03-5253-8111(内線38316)
- 各高速道路会社のお客さまセンター(連絡先は同資料の別紙に掲載)
品番ごとの新旧は、車載器メーカーや購入した販売店のほうが早く答えられます。
買い替えるときの手続きと費用
新しい車載器を使うには、セットアップ(車両情報を車載器に登録する作業)が必要です。セットアップは登録店でしかできません。ETC総合情報ポータルによると、必要なものは車載器、車検証、運転免許証など本人確認書類です(ETC総合情報ポータル「セットアップ」)。
今の車載器を別の車に載せ替える場合も、再セットアップ(有料)が必要です。なお、セットアップ料金の金額は公式ページに記載がなく、店舗ごとに異なります。見積もりは販売店で確認してください。
ほかの「ETCが使えなくなる」話
車載器の規格とは別に、料金所のETC専用化も進んでいます。ETC総合情報ポータルのお知らせでは、NEXCO東日本が新潟県の巻潟東IC・米山IC、埼玉県の和光北ICを2026年11月にETC専用料金所にすると案内しています(ETC総合情報ポータル お知らせ)。こちらは「現金で通りにくくなる」話で、車載器の新旧とは関係ありません。
当サイトは蛍光灯の買い替え期限も扱っています。家の照明の期限は蛍光灯はいつまで使える?をご覧ください。
よくある質問
ETCは2030年に使えなくなりますか?
旧セキュリティ規格の車載器が対象で、時期は未定です。国土交通省は、現行規格に問題がなければ最長で2030年頃までの予定とし、問題が起きれば早まる可能性があるとしています。新規格の車載器は対象外です。
旧セキュリティの車載器は今も使えますか?
2026年10月時点では使えます。規格の切り替えが実施された後は使い続けられない、と国土交通省は説明しています。切り替えの実施日は、確認した公式資料には示されていませんでした。
ETC2.0に替えれば2030年問題は解決しますか?
必ずしも解決しません。ETC総合情報ポータルは、ETC2.0でもすべてが新セキュリティに対応しているとは限らないとしています。買う前に新セキュリティ対応かどうかを確認してください。
2022年問題(スプリアス規格)の車載器はもう違法ですか?
旧スプリアス規格の車載器は、使用期限が「当分の間」延長されています。総務省の資料では、他の無線局の運用を妨げない場合に限り使えるとされています。セキュリティ規格とは別の制度です。
どこに問い合わせればいいですか?
ITSサービス高度化機構のETCお問い合わせ窓口(03-5216-3856、平日10時〜17時)が案内されています。車載器の品番ごとの新旧は、各メーカーや購入した販売店・セットアップ店でも確認できます。
関連記事
出典・確認日
確認日:2026-10-16。官公庁・メーカー・事業者の公開資料を確認して作成しています。確認できなかった事項は推測で書いていません。
- 国土交通省「ETCのセキュリティ規格の変更について よくあるご質問」
- 国土交通省「セキュリティ規格の変更について」
- ETC総合情報ポータル「セキュリティ規格の変更」
- 国土交通省・高速道路会社・ITSサービス高度化機構「セキュリティ規格の変更」(PDF、令和4年8月2日改訂)
- ETC総合情報ポータル FAQ「セキュリティ規格の変更」
- 総務省「新スプリアス規格への移行期限の延長」
- 阪神高速「大阪・兵庫エリアETC車載器購入助成キャンペーン2026」報道発表資料(2026年10月13日)
- ETC総合情報ポータル「セットアップ」
- ETC総合情報ポータル「ETC車載器の再セットアップ」
- ETC総合情報ポータル FAQ「車載器について」
- ETC総合情報ポータル「お知らせ」
- デンソー「デンソーブランドETC車載器一覧」(PDF)